
検診センターで働く看護師の特徴。どのような人が向いている?
看護師が働ける職場は、病院やクリニック以外にもさまざまあります。
病気の早期発見・予防のために検査を行う「検診センター」もその一つです。
「検診センターってどんなところ?」「看護師としてどんな業務を行う?」など疑問をお持ちの方もいることでしょう。
本記事では、検診センターの特徴、仕事内容、働くうえでのメリット・デメリット、検診センターが向いている人についてご紹介します。
目次
検診センターの特徴
検診センターとは、全身の健康状態を確認して病気の早期発見や予防のために、専門的な検査を行うところです。
検診センターには入院施設がないため、夜勤や当直といった業務もありません。
予約制なので受診時間も決まっています。
ちなみに「検診」と同じ読み方に「健診」があります。
検診は特定の病気の有無やリスクをチェックするものであり、健診は健康状態を確認するものです。
とはいえ、検診センターも健診センターも、どちらも健康チェックや特定の病気の検査を行いますので、大きな違いはありません。
どちらのチェック・検査に重点が置かれているか程度の違いです。
検診センターで働く看護師の仕事内容
検診センターで働く看護師は、特定の病気の検査やリスクチェック、健康診断などのために必要な業務を行います。
以下で具体的な仕事内容をご紹介します。
主な業務
検診センターは予約制で受診時間が決まっています。
スムーズに検査を行う必要があるため、看護師は検査の準備や補助、各種対応を行います。
検診センターでは、身長・体重測定、心電図、視力・聴力検査、血圧検査、血液検査、レントゲンなどさまざまな検査を行います。
さらにがん検診など特定の病気の有無を調べる検診では、それに必要な検査が行われます。
たとえば、血液検査ではスムーズに進めるために採血のスキルが求められ、レントゲンやエコー検査などの精密検査では、精密機器に関する知識や医師への適切なサポート力が求められます。
巡回検診
規模の大きな検診センターの場合、巡回検診車を保有していることもあります。
そのような検診センターでは出張による検診、つまり巡回検診を行うこともあります。
巡回検診では、医師の診療補助や検査介助、採血や血圧測定など、看護師はセンターと同様の業務を行います。
また、現地において会場セッティングや患者さんの案内などを行うこともあります。
看護師として検診センターに勤務するメリット・デメリット
看護師が検診センターで働く場合、以下のようなメリットやデメリットがあります。
メリット①規則正しい勤務時間でプライベートと分けやすい
検診センターの看護師は、規則正しく働けるためプライベートを充実させやすいです。
検診センターは入院施設がないため夜勤は基本的にありません。
また、予約制で受診時間が決まっていますので、他の医療機関と比べると残業が少ないのもメリットです。
決まった時間で規則正しく働けるため、検診センターの看護師はプライベートの時間を取りやすいでしょう。
メリット②負担が少ない
肉体的・精神的負担が少ないのも検診センターで働く看護師のメリットです。
検診センターは病院と異なり、病気の発見や確定をするためのところです。
そのため、患者さんの命にかかわる場面に直面することがないですし、救急処置に追われることもありません。
肉体的・精神的な負担が少ないため、働きやすいといえるでしょう。
メリット③患者さんの健康に貢献するという意義を感じられる
社会的な意義を感じやすいのもメリットといえます。
検診センターは病気の早期発見など、患者さんの将来の健康的な生活を支える大切な役割があります。
そのため、検診センターで働く看護師は、患者さんの未来や社会を支えるために貢献しているというやりがいを感じられます。
メリット④採血スキルを十分に活かせる
検診センターでは、検査のために1日に数多くの患者さんの採血を行います。
検査時間は決められていますので、やり直す時間はそれほどありません。
そんな職場だからこそ、検診センターでは採血スキルがとても重要です。
採血が得意な方であれば、検診センターはとてもやりがいのある職場といえるでしょう。
デメリット①総合的な看護スキルは身に付けにくい
一般的な看護スキルが身につきにくいことは、検診センターで働く看護師のデメリットといえます。
検診センターにおける看護師の主な業務は、検査の介助や採血などです。
治療を行う医療機関ではありませんので、検診に関わること以外の看護業務を経験することはほぼありません。
幅広い看護スキルや専門性の高い看護知識を得たいといった方にとっては、検診センターはあまり向いていないといえるでしょう。
デメリット②患者さんとの関わりが少ない
患者さんとの関わりが少ないことも検診センターのデメリットといえます。
検診センターには日々多くの患者さんが検査のために訪れます。
しかし、患者さんと関わるのは検診を行うタイミングのみです。
病棟看護師のように、患者さんが退院するまでの、ある程度の期間をケアするわけではありません。
このようなことから、検診センターでは患者さん一人ひとりに手厚いケアをするようなやりがいはありません。
人間関係の構築やコミュニケーションにやりがいを求めるのであれば、病院やクリニックのほうがよいでしょう。
検診センターへの就職・転職対策
検診センターへ就職・転職するならば、採用担当者に自分をしっかりアピールすることが大切です。
そのため、即戦力であることや検診センターの業務とマッチするような志望動機を考えるとよいでしょう。
前述の通り、検診センターでは毎日多くの患者さんが訪れます。
受診時間が決まっていますので、スムーズに業務を進めることが求められ、採血や血圧測定などの正確性やスピード感が重要です。
採血スキルなどをアピールすれば、採用担当者の目に留まりやすいでしょう。
また、検診センターごとに施設の理念や業務内容が異なります。
志望動機を考える際には、それらを考慮することが大切です。
さらに、検診センターが予防や早期発見を行う機関であることを意識して、自分がそれらを重視するようになった経緯などを盛り込むと具体性が出ます。
検診センターで働くのが向いている看護師の特徴
検診センターでの仕事が向いているのは、以下のような人です。
ルーティンワークが得意
検診センターでは、基本的に毎日決められた業務を行います。
決まった仕事を正確にスピーディーにこなすことが求められるため、そうしたルーティンワークが得意な方は検診センターで働くのに向いています。
採血スキルを活かしたい
入院されている患者さんと違って、検診センターを受診する患者さんの多くは、採血に慣れていません。
そのため、検診センターでは採血に時間がかかることが少なくないものです。
このようなことから、採血スキルの高い看護師は活躍しやすく重宝されることでしょう。
人に説明するのが得意
検診センターでは病気の早期発見や予防のためにさまざまな検査を行うことから、患者さんによっては不安を抱かれることもあります。
患者さんが安心して検査を受けられるように、分かりやすく丁寧に説明できるスキルはとても重要です。
人に説明するのが得意、人に寄り添うことを大切にしている、そういった人は検診センターに向いているといえます。
仕事とプライベートを両立させたい
検診センターは夜勤がなく残業もほとんどありません。
そのため、仕事とプライベートを両立させたい人に向いています。
子育て中の人や親の介護を行っているという人も、検診センターであれば働きやすいのではないでしょうか。
自分の時間をつくりやすく働きやすい人気のある職場
検診センターは、病気の早期発見や予防のための検査を行う医療機関です。
病院で働く看護師と違って、検診センターで働く看護師は、毎日数多くの患者さんの採血や検査の介助などを行います。
そのため、ルーティンワークを正確かつスピーディーにこなすことが求められます。
検診センターでは夜勤がなく残業もほぼないため、仕事とプライベートを両立させやすいです。
求人でも人気が高い職場ですので、採血が得意な方やルーティンワークが好きな方などはぜひ検討してみてください。
また、病院やクリニック以外で働ける職場には他にもあります。
キャリアをさまざまな角度から検討したい方は、以下の記事も参考としてご一読してみてください。
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