
看護師が退職を考える理由やタイミング。職場に求めることを明確にしよう
現在、職場の退職を考えている看護師の方もいらっしゃるでしょう。
しかし、
「自分の退職理由は一般的にどうなのか」
「職場を変えれば解決することなのか」
「退職して次の看護の就職先を探す場合は軸はどう考えればよいか」
などを悩んでいて、退職に踏み切れていない方もいるかもしれません。
本記事では、看護師の退職理由として多いもの、退職を決めたあとの流れ・行うこと、次の看護職を探すときに軸として考えたいポイント、についてご紹介します。
目次
看護師の退職理由
看護師が働く職場のなかには、人手不足によって残業や夜勤などが想定よりも発生してしまうことで体調を崩し、また人間関係の悩みや理想と現実のギャップを感じて、精神的に辛い思いをしてしまう環境の職場もあることでしょう。
ただし厚生労働省の実態調査では、看護師の退職理由として「結婚・出産・育児」が多く挙げられています。
実際に退職という行動をするタイミングは、ライフステージが大きく変化したことがきっかけになっていることが分かります。
出典:厚生労働省「看護職員就業状況等実態調査結果」
新人看護師に多い退職理由
新人看護師はミスや能力不足から「自分は看護師に向いていないかもしれない」などの不安が強く、メンタルの不調を理由に退職する人が多い傾向です。
実際に、看護業務は覚える仕事量の多さに加えて専門性の高い知識やスキルが必要で、ミスが人の命に直結する場面も多く、プレッシャーがかかります。
同僚や上司とのコミュニケーションや、医師など多職域の方との連携によるストレスで、辞めたいと感じる人もいるようです。
また、夜勤や残業など看護師特有のハードな労働環境に慣れず、体調を崩してしまう人も少なくありません。
ベテラン看護師に多い退職理由
就職して仕事が無難にこなせるようになる30~40代では、家族のためにプライベートを充実させたいと考える人が増えます。
出産を機に、ハードな仕事を続けながら家庭との両立に悩んで退職する看護師もいます。
他にも、看護師は求人件数が多いので、スキルアップを目的に退職する方もいます。
退職までの流れ
辞めることを上司や責任者に報告する前に、職場ごとに退職日の〇日前、〇ヶ月前に申し出ることが決められているので、まずは勤めている職場の就業規則をチェックしましょう。
退職するまでの間にはすべきことも多いので、ある程度の余裕をもって退職する意思を伝えるとよいでしょう。
退職理由の伝え方
まずは上司や責任者に、退職する意向・退職希望日・退職理由を伝えます。
法律上では14日前に申告すればOKとされていますが、職場によっては実際に退職するまでに1~3ヶ月程度かかることもあります。
退職理由が、職場の人間関係や勤務体制などの不満である人もいると思いますが、退職までの間に気まずい思いをしたくないことが優先であれば、ネガティブな理由はできるだけ伝えないようにしましょう。
また、上司や同僚に引き止められてしまうと、いつまでも辞められずにズルズルと続けてしまう可能性があります。
このようなパターンへの対策として、他分野やキャリアアップへのチャレンジ、家庭の事情など、説得力があり引き止めにくい理由を用意しておくことも1つです。
退職日までに行うこと
面談で正式な退職日を決め、引き継ぎや退職日までのシフトなど、退職日までの流れについて話し合います。
退職手続きなどは、事務職員から説明を受けながら準備を進めていきます。
そして退職する前に必ず行うことは、業務の引き継ぎです。
後任者を決めて、できるだけ後任者が負担にならないように手順書やチェックリストなどを作成しておきます。
後任者が不安にならないよう、丁寧に引き継ぎをしましょう。
また、ロッカーやデスクの私物の片付けをしながら、保険証やユニフォーム、職員バッジなど、返却するものを確認しておくことも大切です。
離職票や雇用保険被保険者証、年金手帳といった重要な事務手続きもあるので、書類の提出や受け取り方についても確認しましょう。
看護師の職場を探すポイント
看護師は活躍できる場所がたくさんあります。
病院やクリニック以外でも、訪問看護や看護福祉、教育機関など興味のある分野にチャレンジしてみるのもいいでしょう。
看護師として次の職場を探すときには、以下のポイントを参考に自分の優先事項を明確にしてから、探してみてください。
- 通勤のしやすさ:アクセスの良さや通勤時間など
- 環境:教育体制、人間関係、時間外労働の有無など
- 勤務体系:夜勤の有無、時短勤務やフレックスタイムの導入など
- 給与:昇給、ボーナス、手当など
- 育児支援体制:院内保育、病児保育、学童保育など
- 将来性:キャリアアップの可否、介護休暇など
子供がいるならフレックスタイムの導入や時間外労働の免除、院内保育といった支援体制が整っているかどうかは重要なポイントです。急な病欠や運動会などのイベントに備えて、病児保育の有無、休暇の取りやすさ、チームでのフォロー体制などもチェックしておきましょう。
また、お給料についても納得できていないと労働に対して不満を感じやすくなりますし、再就職までの期間が開いてしまった場合や、初めての分野へ転職する場合には、教育体制が整っている職場であるかどうかが重要になりますので、このあたりもチェックしましょう。
さらに、今の生活状況に合った条件であることはもちろん、将来的に子供が成長したときのキャリアアップや、家族の介護などライフスタイルの変化にも柔軟に対応してくれる職場であるかどうかも大切です。
面接時の退職理由の伝え方
採用面接を受けるとき、前の職場を辞めた理由を聞かれることがあります。
退職した職場の不満をストレートに伝えると、面接先でのイメージが悪くなってしまう可能性があります。
将来どのような看護師になりたいのかを明確にしておき、そのキャリアプランの過程として退職をした旨を伝えるようにしましょう。
よほどの理由でない限り後腐れのない退職をしよう
看護師の退職理由は、結婚や出産育児などライフスタイルの変化に伴うもの、現職場への不満、他職場への興味、将来を見据えたキャリアアップ、といったものまでさまざまです。
退職するときは、1~3ヶ月前に上司や責任者に伝えることが望ましいですが、その際にネガティブなことを伝える場合は最低限の言い方は意識しておきましょう。
なるべく後腐れのない退職をすることは、次の職場での仕事を気持ちよくスタートさせることにも繋がることでしょう。
